Smart Marcheトピックス詳細
一度落ちた会社から連絡が来るのはなぜ?企業が「再接触」を行う本当の理由

「せっかく良い人だったけれど、今のポジションには少し合わなかった」
「最終面接まで残ったけれど、あと一歩のところで別の採用が決まってしまった」
採用活動をしていると、こうした「惜しい不採用」が必ず発生します。
こうした過去の応募者に、数ヶ月から数年後、再びアプローチすることを「不合格再接触(またはタレント・リカバリー)」と呼びます。
今、なぜこの手法が注目されているのか。その事実とメリットを分かりやすく解説します。
一度落ちた企業から連絡が来る「不合格再接触」
不合格再接触とは、シンプルに言えば、「企業側が過去に自社を受けてくれた人と、もう一度コンタクトを取ること」です。
採用試験に不合格だった場合、企業はまず「不合格」を知らせるメールを送ります。
その後、組織体制の変更や新規事業の立ち上げなどにより、「不合格にした候補者と、もう一度話したい」と判断する場面が出てくることがあります。
その際に企業側から該当する求職者にコンタクトがある、これが「不合格再接触」です。
この方法は、個人のスキル変化や転職タイミングが多様な「中途採用」において、特によく用いられています。
新卒一括採用とは異なり、数年のスパンで候補者の経験値が大きく変わる中途採用では、過去の接点が非常に有効な「再会」のきっかけとなるからです。
多くの企業では、一度不採用を出した方の履歴書はそのまま保管期限を待って破棄されます。
しかし、労働人口が減り続けている現代において、一度でも自社に興味を持ってくれた人は「貴重な財産」です。
なぜ今、再注目されているのか?

人材市場の状況についてデータをご紹介します。
- 正社員不足を感じている企業:約5〜7割(※1)
- 令和7年11月の有効求人倍率は1.18倍(求職者1人に対して1.18件の求人)(※2)
(※1)企業の53.4%が正社員不足-―帝国データバンク人手不足に対する企業の動向調査(2025年1月)
(※2)厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年11月分)について」
企業同士で人材を取り合う「売り手市場」が続いている、つまり、「人が欲しい企業」はたくさんあるのに、「転職する人」はそれほど増えていない。
こうした状況の中で、企業は「新しく応募者を探す」だけでなく、すでに接点のある人材に目を向けるようになっています。
企業が「再接触」を行う3つの大きなメリット
人事担当者がこの手法を選ぶ背景には、経営的なメリットも存在します。
<1>採用コストを抑えられる
通常、新しい人を採用するには、求人広告を出したり、紹介会社に高い手数料(年収の30〜35%程度)を払ったりする必要があります。
しかし、過去の応募者はすでに自社のデータベースに連絡先があります。直接メールを送るだけであれば、広告費は実質0円です。
<2>選考時間を短縮できる
初めて会う応募者の場合、書類選考から数回の面接を経て、ようやくその人の人となりが見えてきます。
一方、再接触の場合は「過去の面接評価」が残っています。
「誠実な人だった」「技術力は高いがリーダー経験だけが足りなかった」といった記録があるため、選考プロセスを大幅にスキップすることが可能です。
<3>入社後のミスマッチが起きにくい
応募者側も、一度はその企業のことを調べて選考を受けています。
会社の雰囲気や事業内容をある程度理解した上で再挑戦してくれるため、「入ってみたらイメージと違った」という早期離職のリスクを低く抑えられます。
求職者にとっての「不合格再接触」の真実
ここからは、「求職者側」の視点で事実を見てみましょう。
多くの人は「一度落ちた会社から連絡が来るなんて怪しい」と思うかもしれませんが、事実は異なります。
「不合格=能力不足」とは限らない
企業が不採用を出す理由は、実は能力の優劣だけではありません。
- 「その時は、より条件に合う人がたまたま一人いた」
- 「能力は高いが、配属予定のチームの雰囲気と少し違った」
- 「予算の関係で、その月は一人しか採れなかった」
このように、企業側のタイミングの問題で不採用とした、というケースが非常に多いのです。
裏を返せば、こういった事情が無ければ合格としていたということです。
企業からの連絡は「最大の評価」
企業がわざわざ過去の名簿から連絡をするのは、その人に「当時、光るものを感じていた」という証拠です。
全く魅力のない人に、人事が貴重な時間を使って連絡することはありません。
不合格接触を受けるということは、「都合よく扱われている」ということではなく、求職者にとっては、自分の成長を外部のプロに認められた「キャリアの答え合わせ」とも言える機会になります。

不合格再接触は、企業への印象にどう影響するのか
「一度不合格にした相手に、あとから連絡をする。それは、かえって企業への不信感を生むのではないか」
不合格再接触について考えるとき、多くの人事担当者が最初に抱く疑問です。
確かに、理由の説明がないまま再び連絡をすれば、「なぜ今さら?」「最初の判断は何だったのか」と受け取られる可能性はあります。
しかし、実際に企業への不信感を生むかどうかを左右するのは、再接触そのものではありません。
問題になるのは、不合格後の対応の仕方です。
採用活動では、合否にかかわらず、候補者は企業の姿勢を見ています。
連絡が遅くならなかったか、説明があったか、誠実だったか。
そうした一つひとつが、企業ブランド(その会社に対して外部の人が抱く印象や評価)を形づくります。
不合格であっても、「結果をきちんと伝えられた」「選考が丁寧だった」と感じてもらえれば、企業への信頼は大きく損なわれません。
逆に、連絡がなく選考が終わったように扱われた場合、その記憶は不信感として残りやすくなります。
つまり、
不合格者への再接触が不信感を生むのではなく、
不合格者対応の質が、企業ブランドを左右している
というのが実際のところです。

失敗しないための3ステップ
実際に再接触を行う際、人事が踏むべき手順は以下の通りです。
ステップ1:データの整理(誰に送るか)
過去1年〜3年程度の応募者の中から、以下の条件に当てはまる人を選びます。
- 最終面接まで進んだ人
- スキルは申し分なかったが、社風との微調整で不採用になった人
- 内定を出したが、条件面で折り合わず辞退された人
ステップ2:法的ルール(個人情報保護法)の確認
履歴書の保管にはルールがあります。
- 応募時に求職者の個人データを「不採用後も情報を保持し、今後の採用案内に利用する」という同意を得ているか。
- 保管期間を過ぎていないか。これらは必ず法務部門と確認する必要があります。
ステップ3:誠実なメッセージ送信
「人が足りないので来てください」というスタンスではなく、「当時の評価」と「今の自社の状況」をセットで伝えます。
- 「〇〇様の当時のプレゼン能力を高く評価しておりました」
- 「この度、新プロジェクトが発足し、ぜひお力を貸していただきたいと考えました」
相手を尊重する姿勢が、再接触の成否を左右します。
これからの採用は「点」ではなく「線」
不合格再接触は、単に「人手不足だから連絡する」「たまたま連絡先を知っているから連絡する」ための手法ではありません。
過去の選考を点ではなく線で捉え、採用活動を長期的に考える取り組みです。
不合格の背景には、採用枠やタイミングなど、個人の能力とは別の事情があることも少なくありません。
そうした状況を踏まえて再び声をかけることは、判断の揺れではなく、合理的な判断といえます。
一方で、不合格再接触は、企業の姿勢がそのまま伝わる場面でもあります。
誰に、いつ、どのような言葉で連絡をするかは、企業ブランド(企業が社外からどう見られているか)として受け取られます。
人材獲得が難しい時代において、過去に自社へ関心を寄せてくれた人とどのような関係を作るか。
不合格再接触は、その問いへの現実的な答えのひとつです。
【人材定着を支える、もうひとつの方法】

働く環境そのものが「企業を知る手がかり」として重視される傾向も強まっています。
福利厚生や職場の快適さは、入社後の定着だけでなく、応募者が企業をどう評価するかにも影響します。
オフィスコンビニの導入は、
- 社員の日常的な満足度向上
- 「働きやすさ」を具体的に伝えられる環境づくり
という点で、採用活動を下支えする施策のひとつです。
人材確保が難しい時代だからこそ、「選ばれ続ける職場づくり」を一緒に考えてみませんか。
採用環境や福利厚生の見直しを検討されている方は、
オフィスコンビニの導入について、ぜひ一度ご相談ください。
お問い合わせはこちらから

