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「御社が第一志望」でも決まらない、複数内定を抱える就活生の本音と企業の対策

内定を出したあと、返事がなかなか戻ってこない。
複数内定を最後まで保持される。
「御社が第一志望群です」と言われたまま、結論が先送りになる。
ここ数年、こうした動きが増えたと感じている採用担当者は少なくないでしょう。
実際、調査によれば「9月末時点で内々定を保有しながら活動を継続している学生は約18.9%」(※1)という結果が出ています。
一社で即決するのではなく、他社の選考を受けながら比較検討を続ける。
そうした行動は、もはや例外ではありません。
しかし、こうした状況を背景に、現場では「最近の学生は決断が遅い」という声も聞こえます。
ただ、その行動を「優柔不断さ」や「覚悟の弱さ」と受け取ってしまうと、採用設計そのものを見直す機会を逃してしまいかねません。
内定承諾まで時間をかけるという「行動」と、それをどう評価するかは、分けて考える必要があります。
(※1 マイナビ2026年卒 大学生キャリア意向調査9月就職活動・進路決定)
学生は何を確かめたいのか

学生が内々定後も活動を続ける背景には、「より納得できる選択をしたい、そのためしっかりと確かめたい」という意図があります。
彼らが確かめようとしているのは
「自分がその会社で数年後、どう働いているかを具体的に想像できるか」
「将来のキャリアや生活設計に納得感があるか」どうかです。
厚生労働省の公表資料(※2)によれば、令和4年3月卒業者における新規大学卒就職者の3年以内離職率は33.8%とされています。
約3人に1人が3年以内に離職しているという現実を考えれば、学生が慎重になることは、必ずしも消極的な姿勢とは言えません。
「早く決める」ことよりも、「できるだけ外さない」ことを優先している、と捉えることもできるでしょう。
(※2 厚生労働省 「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します」)
「決められない」のではなく、「確信が持てない」
学生が決められないように見えるのは、優柔不断だからではありません。
最終判断に足る具体的な材料が揃っていない可能性があるのです。
採用広報や説明会の内容を振り返ると、多くの企業が似た言葉を使っています。
「若手が活躍」
「風通しが良い」
「裁量権がある」
どれも間違いではありません。しかし、抽象的な表現は比較材料としては弱い。
学生は複数社を横並びで見ています。言葉の印象だけでは差がつきません。
「若手が活躍」とは、入社何年目からどのような役割を担っているのか。たとえば、入社2年目で顧客を担当するのか、3年目でプロジェクトリーダーを任されるのか、といった具体像が示されているか。
「風通しが良い」とは、どのような場面で上司や経営層に意見を伝えられるのか。定期的な1on1があるのか、役職に関係なく提案できる会議体があるのか、といった実際の仕組みが説明されているか。
「裁量権がある」とは、どの範囲まで自分の判断で決定できるのか。予算を持てるのか、提案内容を自ら設計できるのか、顧客対応を最終判断まで任されるのか、といった責任と権限の具体的な線引きが明確になっているか。
さらに、「成長できる」と言うのであれば、それはどんなスキルが、どのくらいの期間で身につくことを指すのか。営業力なのか、企画力なのか、専門資格なのか。そして、それは1年目なのか3年目なのか、モデルケースが示されているか。
具体性がなければ、「ここに決める理由」にはなりにくいのです。
採用活動を「意思決定支援」に変える
採用活動を“自社の魅力を伝える場”から、“学生の意思決定を支える場”へと再設計できているかどうか。ここが分かれ目です。
たとえば、次のような情報は提示できているでしょうか。
入社3年目の社員が担当している業務内容。
評価面談の頻度やフィードバックの方法。
昇格までの平均年数や異動の実例。
繁忙期の働き方やサポート体制。
こうした情報は派手ではありませんが、意思決定に直結します。
学生が知りたいのは「良い会社かどうか」ではなく、「自分がやっていけるかどうか」です。
また、成功事例だけでなく、キャリアの分岐や壁にぶつかったケースも含めて共有できると、現実性が増します。リスクを隠さない企業のほうが、結果的に信頼を得やすい傾向があります。
ターゲットを絞る勇気

もう一つ見直したいのは、メッセージの方向性です。
安定も、成長も、挑戦も、働きやすさも、とすべてを訴求しようとすると、印象はぼやけます。
安定志向、挑戦志向、働きやすさ重視など、どの層の学生に響く企業なのかを明確にすることで、応募者の質が高まり、ミスマッチも減ります。すべての層に刺さるメッセージより、自社の強みが真に響く層をターゲットに訴求しましょう。
ターゲットを明確にすることで、応募数は減るかもしれません。
しかし、承諾率や定着率は改善する可能性があります。
一定の離職を前提に採用数を積み増すという発想は、見直しの時期に来ています。
これから問われるのは、どれだけ自社と本質的に合う人材に出会えているかです。
学生の迷いは、採用改善のヒント
内定承諾の長期化は、就活生の“決断力の問題”ではありません。
学生が確信を持てるだけの材料を提示できているかどうかを示すサインかもしれません。
「最近の学生は決断が遅い」と嘆く前に、自社の情報の出し方や伝え方を振り返ってみる。比較しやすい情報になっているか。
将来像を描ける内容になっているか。
判断を支える設計になっているか。
その見直しが、選ばれる確率を高める一歩になるのではないでしょうか。
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